凡夫の手記

日々、感じた思ったことなど

回想1-1

もう一つ思い出深い話がある。休日にいつも通り近所の友人と遊んでいた小3の僕は、小6の近所のお姉ちゃんと遊ぶことになった。お姉ちゃんは今までに会ったことない大人っぽさと影があった。
お姉ちゃんに連れられて渡ったことのない川の向こうの駄菓子屋に行った。ろくにお小遣いももらっていない僕は初めての駄菓子屋をキョロキョロ見回すだけだった。それを見かねたのかお姉ちゃんは「さやえんどう」を買い、「一緒に食べよう」と店を出た。近くのドブ川の橋の下で腰掛け、二人なぜか無言でさやえんどうを食べた。「うちで遊ぼう」とお姉ちゃんが言うので家に上がった。ゲームソフトを漁ると、やったことがない「マリオゴルフ64」があった。これやりたいとせがみ2人で遊んだ。夕方に近づきまだやりたいとせがむとゲームを貸してくれた。「また遊ぼう」と約束し別れた。
家に帰った僕が「マリオゴルフ64」で遊んでいると、親からそんなもの買ってないよね?と怪しまれた。友人とゲームの貸し借りは当たり前だったけど、今日あったばかりの女の子と貸し借りしたとは言えず、前から付き合いがあった友人から借りたのだと嘘をついた。月日は流れ父方へ引き取られた後、64で遊んでいるとソフトの中に「マリオゴルフ64」があった。約束も果たせないまま借りパクをしてしまった。今でも、「さやえんどう」か「マリオゴルフ64」を見ると顔も思い出せなくなったあの子を思い出す。